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考察

声に出して考える効果と限界

自己説明による学習、思考を声で報告する研究手法、物の名前を言いながら探す実験。それぞれの研究が調べた内容を確認し、面接の回答を見直す際にどう応用できるかを考えます。

SpeakViz 編集部
声に出して考える効果と限界 のカバー画像

分かったつもりの内容でも、人に説明しようとすると言葉に詰まることがあります。理由をうまく説明できなかったり、話の順序が決まらなかったりすると、自分がまだ整理できていない箇所に気づきます。

認知科学では、自分に向けた説明、思考の言語化、声に出すことによる知覚への影響が研究されています。ただし、これらはそれぞれ異なる課題を調べたものです。何が分かっているかを分けて見ていきます。

自分に説明しながら学ぶ

Chiらの1989年の研究は、学生が物理の例題をどう学ぶかを調べたものです。成績のよい学生は、解答を読む際に「なぜこの式になるのか」「この条件は何のためにあるのか」といった説明を、自分に向けて多く行っていました。

Chi, M. T. H., Bassok, M., Lewis, M. W., Reimann, P., & Glaser, R. (1989). Self-explanations: How students study and use examples in learning to solve problems. Cognitive Science, 13(2), 145–182.

Wiley

1994年の研究では、自己説明を促した場合に、内容の理解が深まることも示されました。自己説明効果と呼ばれる研究の一つです。

Chi, M. T. H., De Leeuw, N., Chiu, M.-H., & Lavancher, C. (1994). Eliciting self-explanations improves understanding. Cognitive Science, 18(3), 439–477.

Wiley

面接の準備に応用するなら、回答を読み返す際に「なぜそう考えたのか」を説明してみる方法が考えられます。用意した文章を読めることと、その理由を説明できることを分けて確かめられます。

思考を声で報告する研究手法

思考発話法(think-aloud protocol)は、課題を解いている人に、いま考えていることを声に出してもらう手法です。研究者は、その発話を思考過程を調べるためのデータとして扱います。

EricssonとSimonは、声で報告できる内容と、短期記憶で扱っている情報との関係を論じました。

Ericsson, K. A., & Simon, H. A. (1980). Verbal reports as data. Psychological Review, 87(3), 215–251.

DOI

思考を観察する方法があることと、声に出すことで思考が改善することは別の話です。この研究は、面接練習が効果を上げるかどうかを調べたものではありません。

物の名前を声に出して探す実験

LupyanとSwingleyは、たくさんの物の中から特定の物を探す実験を行いました。探す物の名前を声に出すと、名前と見た目の結びつきが強い場合には探索が速くなりました。一方、名前と対象のずれが大きくなると、声に出すことで成績が下がる場合もありました。

Lupyan, G., & Swingley, D. (2012). Self-directed speech affects visual search performance. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 65(6), 1068–1085.

SAGE

この結果は、声に出した言葉が視覚的な探索に影響することを示しています。「話せば考えがまとまる」という一般的な効果を、この実験だけで説明できるわけではありません。

面接の回答で試す

面接の準備では、志望理由などの一問に、資料を見ずに答えてみてください。途中で説明できなくなったら、知識が足りないのか、理由を考えていなかったのか、話す順序に迷ったのかを確かめます。

SpeakVizでは、話した内容を文字で読み返せます。言葉に詰まった前後を見直し、足りない説明を考えてから答え直す使い方ができます。声に出しただけで理解できたと判断せず、説明した内容が正しいかも資料で確認してください。

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