面接練習と成績の関係を研究から考える
コーチングや準備行動と面接成績、面接不安、自己効力感を扱う研究を紹介します。研究の対象と結果を確認し、アプリでの反復練習や人との模擬面接で確かめたいことを考えます。

面接の準備にどれほど意味があるのかを考えるとき、参考になるのが、コーチングや練習と面接成績の関係を調べた研究です。
研究では、準備行動や回答の組み立て方と成績のあいだに関連が報告されています。ただし、対象者や面接の形式は研究ごとに異なります。ここでは、それぞれの研究が調べた範囲を確認しながら、練習で何を確かめるとよいかを考えます。
コーチング・準備と面接成績の関係
Maurer, Solamon, & Troxtel (1998) は、警察・消防の昇進選考で、面接コーチングと面接成績の関係を調べました。4つの職種別サンプルのうち3つで、事前の職務知識や選考への動機づけを考慮しても、コーチング参加と面接成績に統計的に有意な関係が見られました。
Maurer, T. J., Solamon, J. M., & Troxtel, D. D. (1998). Relationship of coaching with performance in situational employment interviews. Journal of Applied Psychology, 83(1), 128–136.
続く2001年の研究では、警察・消防の昇進候補者213名を対象に、準備行動や面接中の回答戦略も調べています。コーチング参加、準備行動、回答を整理して伝える戦略は、状況面接の成績と正の関係を示しました。
Maurer, T. J., Solamon, J. M., Andrews, K. D., & Troxtel, D. D. (2001). Interviewee coaching, preparation strategies, and response strategies in relation to performance in situational employment interviews: An extension of Maurer, Solamon, and Troxtel (1998). Journal of Applied Psychology, 86(4), 709–717.
この結果は、準備や答え方の工夫と成績に関係があることを示しています。ただし、警察・消防の昇進選考での結果であり、他の選考やSpeakVizを使った練習の効果は、別に確かめる必要があります。
不安と面接官が受ける印象
Powell, Stanley, & Brown (2018) は、面接不安と面接成績の関係をメタ分析で調べています。複数の研究をまとめた結果、不安が高い人ほど面接成績が低い傾向が確認されました。
Powell, D. M., Stanley, D. J., & Brown, K. N. (2018). Meta-analysis of the relation between interview anxiety and interview performance. Canadian Journal of Behavioural Science, 50(4), 195–207.
Feiler & Powell (2016) は、模擬面接の映像と文字起こしを使い、不安がどのような印象と結びつくかを調べました。分析では、「主張性」と「対人的な温かさ」という印象が、不安と面接評価の関係を媒介していました。
Feiler, A. R., & Powell, D. M. (2016). Behavioral expression of job interview anxiety. Journal of Business and Psychology, 31(1), 155–171.
練習で確認したいのは、緊張の有無だけではありません。聞かれたことに答えられるか、自分の考えをはっきり伝えられるか、相手とやり取りできるかも見てもらうとよいでしょう。
答えられた経験と自己効力感
自己効力感とは、「自分はこれを実行できる」という感覚です。Bandura (1977) は、その主な源泉の一つに、実際にやってみてできた経験を挙げています。
Bandura, A. (1977). Self-efficacy: Toward a unifying theory of behavioral change. Psychological Review, 84(2), 191–215.
面接練習に当てはめるなら、以前は詰まっていた質問に最後まで答えられたことや、長かった説明を短くできたことが、できた経験になると考えられます。これは理論から考えた練習方針で、反復回数と面接成績の関係をこの論文が直接検証したわけではありません。
オンラインでの練習
Shrivastava, Kabra, & Kapoor (2024) は、245名の就職希望者を対象に、オンライン面接の不安と成績の関係を調べました。準備への満足度や面接への自己効力感が高いほど、不安が低いという関係が見られました。また、練習面接の過程が不安と成績の関係に関わる、統計上の媒介効果も報告されています。
Shrivastava, A., Kabra, S., & Kapoor, M. (2024). Reappraising the relationship between interview anxiety and performance outcome in a computer-mediated setting. Business and Professional Communication Quarterly, 87(2), 300–323.
この研究の準備には、教員らが面接官を務めるZoomでの模擬面接と、個別のフィードバックが含まれています。AIアプリだけを使った練習とは条件が異なります。アプリで繰り返し答える練習に加え、人に聞いてもらって反応を確かめる機会も設けるとよいでしょう。
SpeakVizの練習で確認すること
SpeakVizでは、声に出した回答を文字で読み返し、AIのフィードバックを参考にして答え直せます。練習を一回で終えず、前の回答で困った点を次に直せるようにするための機能です。
たとえば、結論が最後になっていたら先に述べる、経験の説明が抽象的なら自分がしたことを加える、と直す点を決めます。答え直したあとに、前の回答と比べて確認してください。
人に聞いてもらう機会には、内容だけでなく声や受け答えも見てもらいます。アプリで読み返すだけでは分からなかった点を、次の練習に使えます。