大学入試面接でよく聞かれる質問と大学の評価ポイント
志望理由、高校での経験、入学後の学び、卒業後の進路について、大学が公表する面接の出題意図と評価のポイントを確認します。学部ごとの違いと、質問に合わせて答えを組み立てる方法を紹介します。

大学入試の面接では、志望理由や高校での経験、入学後の学び、卒業後の進路が問われます。同じ質問でも、評価する点は大学や学部によって異なります。
広島大学や富山大学は、前年度の面接で何を聞き、何を確かめたかを公表しています。受験先の資料を読むと、答えにどんな経験や考えを含めればよいかを検討できます。
提出書類から自分用の想定質問を作る手順は、大学入試の面接対策を提出書類から始める方法に書きました。
大学が公表している面接の資料
広島大学は総合型選抜と学校推薦型選抜について「選抜のポイント,面接等の出題例等」という資料を公開しています(広島大学)。前年度の法学部(総合型選抜Ⅰ型)の欄には、出願書類をもとに次の三つを質問した、とあります。
- ◦法学部に入学後、何を学びたいか
- ◦その内容を自分の将来にどのように生かすのか
- ◦現在までに学びの準備としてどのようなことをしてきたのか
富山大学は「入試情報の開示」として、学部と選抜区分ごとに面接の出題意図を載せています(富山大学)。
受験先の入試サイトでも、「選抜のポイント」「出題意図」「入試情報の開示」「評価のポイント」といった資料を探してみてください。総合型選抜のガイドブックに載っていることもあります。見つからなければ、募集要項の選抜方法の欄とアドミッション・ポリシーを確認します。
ここで挙げた広島大学と富山大学の資料は、前年度の実施報告です。広島大学も次年度の選抜が同じように行われるわけではないと明記しています。出題を予想するためではなく、その学部が面接で何を評価しているかを知る資料として読んでください。
四つの質問と答えに含める内容
志望理由
富山大学薬学部は前年度の学校推薦型選抜の面接について、志望理由とあわせて「薬学を学ぶための適性や学習意欲を確認する」と書いています(富山大学薬学部)。横浜市立大学の看護学科は2027年度の特別公募制学校推薦型選抜の面接で、看護学を志す動機、保健・医療・福祉に対する適性、意欲を総合的に評価するそうです(横浜市立大学)。
大学の特色を挙げるときは、自分が関心を持っていることとどうつながるかまで説明します。その分野に関心を持ったきっかけも、自分の経験を交えて話してみてください。
高校で取り組んだこと
鳥取大学は前年度の総合型選抜で、自分の強みは何か、学校生活で力を入れて取り組んだことは何か、それらが自分の成長とどのように関係するかを尋ねた、と説明しています(鳥取大学)。
「部長だった」「県大会に出た」という肩書きや実績だけでは、取り組みを通じてどう成長したかは伝わりません。自分がしたこと、うまくいかなかったこと、あとから気づいたことまで説明してみてください。
入学後の学びと卒業後の進路
この二つは、志望理由の続きとして聞かれることがあります。富山大学工学部の知能情報工学コースは、前年度の面接で志望した動機を質問し、「その回答に応じて」高校時代の学習態度や情報に関する取り組みを尋ねたそうです。卒業後の進路と、コースの教育・研究内容を「どのように結び付けているか」にも触れた、とあります(富山大学工学部)。
この例では受験者の答えを受けて質問を重ねています。志望理由、高校での経験、入学後の学び、卒業後の進路について考えた答えを並べて、説明が食い違っていないか確かめてください。
入学後の学びについては関心のある授業や研究分野を一つ挙げ、学びたい理由を話してみてください。卒業後の職業がまだ決まっていない場合も、現在関心がある分野と、それについて大学で学びたいことを説明できるようにしておきましょう。
学部によって加わる質問
理系や医療系では、知識を口頭で確かめられることがあります。東北大学の2027年度AO入試Ⅱ期の募集要項には、工学部の面接試験で、志願学科に関わる科学技術についての知識などを評価すると書かれています(東北大学)。一方、広島大学文学部は前年度の資料で、特定の知識量のみを問うのではなく、自らの関心や考えを自分の言葉で説明できることを重視している、と受験者に伝えています。専門知識を問うかどうかも学部によって異なるため、受験先の募集要項を確認してください。
質問集でよく見る「長所と短所」は今回読んだ大学の資料には、その言い方では出てきませんでした。出てくるのは「自分の強み」や「自己の適性評価」です(富山大学工学部機械工学コース)。強みを一言で答えたあとに、根拠になる経験と、志望分野でどう生きるかを続けられるようにしておきます。
受け答えの評価
立正大学は2027年度の総合型選抜ガイドで、面接の評価ポイントを学部ごとに公表しています。複数の学部に共通しているのは次の四つです(立正大学)。
- ◦面接員の質問に対して的確な受け答えができているか
- ◦自分の考えを整理し、筋道を立てて説明しているか
- ◦理由や根拠を添えて、説得力のある説明ができているか
- ◦適切な語彙や表現を用いて、わかりやすく説明しているか
流通経済大学は前年度の総合型選抜で、志望理由書の内容を「自分の言葉で話せるか」を評価のポイントに挙げています(流通経済大学)。広島大学教育学部のあるプログラムは、「準備してきた内容を話の流れに関係なく一方的に話すことは望ましくない」とまで書いています。
準備した文章をそのまま話すことに集中すると、聞かれた内容から答えがずれることがあります。話す順番と経験を整理したうえで、実際の質問に合わせて説明する練習をしてください。
答え方の例
「高校で力を入れたことは何ですか」への回答を、架空の経験で組み立てた例です。
「図書委員会の活動です。貸出数が減っていたので、昼休みに各クラスを回って、おすすめの本を一冊ずつ紹介しました。最初は聞いてもらえませんでしたが、紹介を一分に縮め、先生にも一言お願いしたところ、借りに来る人が少しずつ増えました。相手の時間に合わせて伝え方を変えることを学びました。大学では、情報を必要な人に届ける方法を、図書館情報学の授業で学びたいと考えています」
最初に取り組んだ活動を答え、具体的な行動と学んだことを説明し、入学後の学びにつなげています。自分の経験で回答を作ったら、立正大学の四つの観点も参考に見直してみてください。
SpeakVizでの練習
SpeakVizには、入試の面接に向けたプリセット質問が入っています。学校を選んだ理由、入学後に学びたいこと、高校生活で最も力を入れて取り組んだこと、卒業後の進路など、この記事の四つの質問も含まれています。質問ごとに、面接官が何を確かめようとしているのかのヒントが付いています。
一問を選んで声に出して答え、文字起こしを読み返してください。最初に質問へ答えているか、経験を具体的に話しているか、提出書類と食い違っていないかを確かめます。気になった箇所を一か所直したら、同じ質問に答え直してみてください。
四つとも答えられるようになったら、AI模擬面接を使います。AIは答えに応じて質問を重ねるので、志望理由で話したことを、高校での経験や入学後の計画とつなげて話せるかを試せます。
SpeakVizは合否や志望理由の妥当性、専門知識の正しさを判断するものではありません。受ける大学が何を重視するかは募集要項とアドミッション・ポリシーで確認し、答えの内容は高校の先生に見てもらってください。