大学入試の面接対策は、提出書類から始める。
2027年度の総合型選抜・学校推薦型選抜に向けて、募集要項と提出書類をどう読み、どの質問から声に出せばよいかを具体例つきで解説します。

想定質問を集めていると、それだけで準備が進んだように感じます。メモが何十問分あっても、志望理由が口から出なければ本番では使えません。
まず、提出した志望理由書を開きます。一段落目を読み、面接官ならどこを聞き返すかを考える。そこから始めると、自分が準備すべき質問が早く見つかります。
手元に置く資料
面接の形式は、大学・学部・選抜方式によって異なります。個人面接だけでなく、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問を行う場合もあります。文部科学省の2027年度実施要項にも、これらが面接による評価に含まれると書かれています(文部科学省)。
準備するときは、次の資料を一か所にそろえてください。
- ◦最新の募集要項:面接の形式、時間、配点、発表や口頭試問の有無
- ◦アドミッション・ポリシー:大学・学部が入学時に求めていること
- ◦提出書類の控え:志望理由書、活動報告書、学修計画書、事前課題
前年の体験談や先輩の話と、受験する年度の募集要項が食い違っていたら、募集要項を優先します。資料だけでは分からないことは、高校の先生か大学の入試窓口に確認してください。
提出書類から作る想定質問
面接官は、提出書類に書かれた経験や志望理由を手がかりに、本人が何を考えて動いたのかを聞きます。
たとえば、活動報告書に「文化祭の実行委員として企画をまとめた」と書いたとします。「まとめた」だけでは、本人が何をしたのか分かりません。聞き返すなら、こんな質問です。
- ◦なぜ、その企画に取り組んだのですか
- ◦あなたが決めたこと、実際に動いたことは何ですか
- ◦意見が分かれたとき、どう対応しましたか
- ◦うまくいかなかったことから、何を学びましたか
役職名だけを答えても、面接官には動きが見えません。何を決め、誰に声をかけ、うまくいかなかったときにどうしたか。そこまで話せる質問を、提出書類の各段落から一問ずつ作ります。
面接前に答えておくこと
鳥取大学は前年度の評価資料で、質問を正しく理解できるか、明確に受け答えできるか、自分で考えた内容を論理的に表現できるかを面接で確認したと説明しています(鳥取大学)。
まず答えておきたいのは、志望理由です。興味のある分野、その大学を選んだ理由、入学後に学びたいことを続けて話せるようにします。大学のWebサイトで見つけた言葉には、「自分はどこでそう感じたのか」を添えてください。
高校での経験は、部長や実行委員といった役職名だけで終わらせません。困った場面、そこで自分がしたこと、結果、あとから気づいたことまで思い出します。うまくいかなかった経験でも、なぜその判断をしたのかを話せれば、面接の材料になります。
提出書類に専門用語や数字を書いた人は、その意味と根拠も確認します。答えに自信がない知識は、教科書や信頼できる資料で調べ直してください。それでも分からない質問には、推測で答えを作らず、分かる範囲を伝えてから自分の考えを述べます。
答え方の順番
志望理由を聞かれたら、最初の一文で結論を答えます。そのあとに、そう考えたきっかけや経験を話し、最後は大学で学びたいことに戻ります。
たとえば、次のように答えます。
「私は、地域交通について学びたいと考えています。祖母は免許を返納してから、通院のたびに家族の送迎が必要になりました。そこで、交通は移動だけでなく、医療や福祉にも関わる問題だと知りました。大学では地域調査に参加し、住民の生活に合った交通のあり方を考えたいです」
この文章を丸ごと暗記する必要はありません。覚えるのは、話す順番と祖母の様子、自分で調べたことなどの事実です。言葉が少し変わっても、内容がぶれなければ問題ありません。
面接まで三週間ある場合
三週間前:資料を読み、質問を書く
募集要項で形式を確認し、提出書類の各段落に「なぜ」「具体的には」「何を学んだ」「大学で何をする」を書き添えます。長い台本は作らず、質問ごとに結論と、話したい経験をメモしてください。
二週間前:一問ずつ声に出す
最初から面接全体を通さず、一問ずつ答えます。質問への答えを最初に言えたか。経験を具体的に話せたか。提出書類と食い違っていないか。答え終わったら一か所だけ直し、同じ質問にもう一度答えます。
一週間前:先生や家族と通し練習をする
一問一答ができたら、本番と同じ順序で練習します。プレゼンテーションがある場合は時間を測り、発表後に内容を掘り下げてもらいます。表情や声の大きさだけでなく、質問に答えているか、説明が相手に伝わるかも見てもらってください。
残り一週間でも三日でも、やることは同じです。資料を確認し、質問を作り、声に出し、詰まった答えを直す。時間が少ない場合は、志望理由、高校での経験、入学後にやりたいことから始めてください。
SpeakVizでの練習
最初に登録するのは、「なぜこの大学・学部を志望したのですか」の一問で十分です。声で答え、文字起こしを読み返します。
結論が最初にあるか。経験が具体的か。提出書類と食い違っていないか。気になった箇所には印をつけます。
一度に直すのは、一か所で十分です。直したら、同じ質問にもう一度答えてください。基本の回答ができたら、AI模擬面接で追加の質問を受けます。「なぜ他の大学ではなく、この大学なのですか」「その活動で、あなたが実際に担当したことは何ですか」。自分の経験を使い、その場で答えられるかを試します。
SpeakVizは、合否や、志望理由の妥当性、専門知識の正しさを判断するものではありません。志望理由や専門知識の内容は、最新の募集要項や高校の先生に確認してください。SpeakVizでは、声に出した答えを見直し、言い直す練習ができます。
今日やるなら、志望理由書の一段落目に「なぜ?」と書き、答えを録ってみてください。詰まった箇所があれば、その一文だけ直す。面接対策の初日は、それで十分です。